家庭用のVRヘッドマウントディスプレイが普及しつつある近年。ゲーム以外にも、VR関係のサービスやコンテンツが続々と登場しています。
その中でも人気なのが、VR SNS。TwitterやFacebookといったSNSの「VR版」とも言えるサービスが、今注目を集めています。
VR SNSの特徴は、文字や動画ではなく「空間」でつながること。
仮想世界で他人と出会い、声での会話だけでなく、身振り手振りでコミュニケーションを行う。それはもはや現実での対面のやり取りに近く、このご時世でも間近で交流できると評判です。
本記事ではそんなVR SNSのなかから、特に日本国内で有名な3つのサービスを紹介します。VRに興味がある人、VRデバイスを購入したばかりの人の参考になれば幸いです。
もくじ
世界中にユーザーがいる人気VR SNS「VRChat」
全世界にユーザーが存在し、また歴史の長いソーシャルVRサービスといえば、まず名前が挙がるのが「VRChat」。
アメリカの企業が運営するサービスであり、2014年にリリース。2017年にはSteamからもインストールできるようになり、無料でダウンロードしてプレイすることができます。
VRChatについて一言で説明するのは難しいのですが、何と言っても「だいたいなんでもできる」という自由度の高さは大きな魅力。たとえば、以下のようなことができます。
- 世界中の人とVR空間でコミュニケーションできる
- 好きなアバターの姿になれる
- 自分でアバターを作ることも可能
- 世界中のユーザーが投稿したワールドを行き来できる
- 自分でワールドを作って公開することも可能
- ゲーム要素のあるワールドも多く、さまざまな遊び方ができる
- 企業が開催するイベントや展示会に参加できる
- 個人規模のコミュニティも活発で、趣味の仲間とつながれる
他のVR SNSと共通する部分もありますが、ユーザーが積極的にコンテンツを制作して公開しているという点では、VRChatが頭一つ抜けていると言えるでしょう。
VRChatの特徴については下記記事でも説明しておりますので、より詳しく知りたい方はあわせてご覧になってみてください。
- 世界中にユーザーがいるVR SNS
- 国内のコミュニティやイベントも盛況
- ユーザーが積極的にコンテンツを投稿している
企業のみならず個人イベントも頻繁に開催!「cluster」
話題のバーチャルSNSといえば、「cluster」も外せません。2017年に正式リリースされた国産サービスで、最近は自治体なども利用してイベントを開催しています。
clusterの特徴は、マルチプラットフォーム型のバーチャルSNSであること。VRデバイスは必須ではなく、パソコンやスマートフォンからでも仮想空間にアクセスすることができます。
晴間はる
スマホがあれば誰でも気軽にバーチャルイベントに参加できるのは、嬉しいポイントだよね!
VRChatのようにオープンワールドで他のユーザーと交流することもできますが、一方では「バーチャルイベント会場」としての役割も大きいcluster。
2020年には以下のようなイベントが開催され、わずか10ヶ月で合計300万人が仮想空間を訪れました。
- 渋谷区公認配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」
- 武蔵野美術大学企画展示「バーチャルムサビ展」
- 名古屋市立大学芸術工学部作品展示会「卓展2020」
- ポケモンバーチャルフェスト
- SAO アリシゼーション WoU – Virtual Meeting –
- Cluster GAMEJAM 2020 in SUMMER
自治体による公認プラットフォームをはじめ、大学の企画展示、人気タイトルのバーチャルイベントなど、開催されたイベントは多種多彩。
個人ユーザーによる音楽ライブや発表会なども行われており、日々賑わいを見せています。VRデバイスがなくてもスマホでもアクセスできるので、気になる方はアプリをインストールしてみてはいかがでしょうか。
- スマホからもアクセスできる、マルチプラットフォーム型バーチャルSNS
- 自治体や企業もイベントをバーチャルイベントを開催
- 個人ユーザーによるライブや発表会なども盛ん
注目の国産ソーシャルVR「ambr」
まだ、VRChatやclusterほどは知られていませんが、国産のソーシャルVRとして開発中の「ambr」にも注目したいところ。
ambrは、「日本初のソーシャルVR」をうたうサービス。当初はまだソーシャル要素が薄かったclusterとは異なり、開発の発表段階で「VR SNS」としてスタートしたプロジェクトです。
2018年に会社が設立され、2019年にクローズドアクセスが、2020年にオープンアクセスが実施されました。
晴間はる
オープンアクセス時には、みんなで遊べるミニゲームやVR飲み会が話題になったよ!
しかし、2020年後半には事業計画の変更などがあり、現在は開発の真っ只中。リリースを今か今かと待つ状況となっています。
しばらく表向きの発表は控えめとなっていますが、5月には電通グループとの資本業務提携締結の報道がありました。採用も積極的に推し進めていることから、今まさに開発に力を入れているところと推測できるでしょう。
オープンアクセスの開始前にはリアルイベントも開催され、大いに賑わっていたambr。集まったユーザーの熱量も高く、正式リリースを心待ちにしたいサービスです。
- 国産のソーシャルVRとして開発中
- オープンアクセス時にはミニゲームやVR飲み会が話題に
- 現在開発中ながら、業界関係者からの注目も大きいサービス
関連VRクリエイティブスタジオ事業を手掛けるambr、電通グループとの資本業務提携を実施
世界中で続々と登場しているVR SNS
本記事ではVRChatとcluster、そしてリリースが待たれるambrについて紹介しましたが、「VR SNS」と呼ばれるサービスは他にも数多くあります。
- Neos VR
- AltspaceVR
- Facebook Horizon
- Rec Room
ただし、これらのサービスはどれも海外発のVRサービス。日本人ユーザーには少しハードルが高く感じられることもあってか、国内では今のところ小さなコミュニティが点在している状況です。
もちろんVRChatのような例もありますし、日本人ユーザーが増え、初心者向けの解説記事が書かれるようになれば、コミュニティも活性化していくことでしょう。そういう意味では、どれも気にかけておきたいサービスです。
晴間はる
結論として、ハードルの低さでclusterが初心者向け!
イベントきっかけで利用する人も多いでしょうし、何と言ってもスマホでアクセスできるという圧倒的な使いやすさがあります。当然、スマホではVR SNSならではの魅力は薄れますが、逆にそれがVRの世界に飛び込むきっかけになるかもしれません。
それまでのSNSとは一線を画する、VR SNSの世界。これからますます拡大していくだろう仮想世界での交流を、あなたも一足先に体験してみませんか?