最近はニュースでも見聞きすることが増えた、「VR(バーチャル・リアリティ)」。
アミューズメント施設や博物館でも活用が進んでおり、実際にVRにふれる体験をしたことのある人も多いのではないでしょうか。
その一方で、家庭用のVR機器も世界的に普及しつつあります。本格的なVR機器はまだまだ高価ですが、特に「VRゴーグル」と呼ばれるタイプの製品の場合、安いものだと2,000円程度から買い求めることができます。
本記事で取り上げるのは、そんなVRゴーグルについて。VRゴーグルはその性質や価格帯のほかに、「一眼」もしくは「二眼」の製品に分類することができます。
今回は、この違いについて解説していきます。
もくじ
VRゴーグルの「一眼」と「二眼」とは?
「一眼」と「二眼」のVRゴーグルの違いとしてまず挙げられるのが、レンズの枚数です。
文字どおり、一眼には1枚のレンズが、二眼には2枚のレンズがそれぞれVRゴーグルに組み込まれています。両目で同じ1枚のレンズを見るのが一眼タイプで、左右の目で違うレンズを見るのが二眼タイプ、というわけですね。
一眼と聞くと高価なカメラを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、VRゴーグルの場合、逆に安価な製品が多くなっているのもポイント。冒頭でふれたとおり、2,000円程度から購入できます。
晴間はる
スマートフォンを差し込んで360度映像を見るタイプのVRゴーグルは、一眼に分類されるよ!
- 一眼:両目で1枚のレンズをみる
- 二眼:両目で2枚のレンズをみる
では、VRゴーグルのレンズの枚数が違うと、どのような点が変わってくるのでしょうか。詳しく確認していきましょう。
一眼タイプのVRゴーグルの特徴
レンズが1枚しか使われていない一眼タイプのVRゴーグルは、平面的な映像しか見ることができません。
なぜなら、左右の目で同じ映像を見ているためです。スマートフォンの画面に映し出された映像を見るタイプのVRゴーグルも、一眼に分類されます。
スマートフォンでなく、VRゴーグル自体にレンズが取り付けられているタイプの製品も同様です。感覚的にはテレビやパソコンの画面を見ているのと近く、VRならではの立体感や没入感はほとんど感じられません。
ですので、一眼ゴーグルで体験するVRは、仮想空間に入って自由に動き回れる本格的なそれとは明確に異なります。あくまでも360度映像を見るための製品、と言ってしまってもいいかもしれません。
晴間はる
もちろん、360度映像も臨場感があってすごいよね!
その一方で、一眼タイプのVRゴーグルにもメリットはあります。安さは言うまでもありませんが、年齢制限がないのもポイント。さらに酔いにくいという利点もあります。
1枚のレンズに映し出された映像を見る一眼ゴーグルでは、VR酔いの症状が出にくい傾向にあります。ですので、3Dゲームで酔う人でも気軽に楽しみやすく、お年寄りにもおすすめ。
また、一眼のVRゴーグルには年齢制限もありません。詳しくは次の項目で説明しますが、子供でも安全に立体的な映像を楽しめるという点は、一眼ゴーグルの大きな特徴だと言えるでしょう。
- 安く買える(約2,000円〜)
- 年齢制限がなく、幼い子供でも使える
- 見るのは平面の映像であるため、酔いにくい
- 360度動画は見られるが、あくまでも映像
- 没入感のあるVR体験はできない
二眼タイプのVRゴーグルの特徴
2枚のレンズが使われている二眼タイプのVRゴーグルは、一眼ゴーグルと比べて立体感を強く感じられるのが大きな特徴です。
左右の目でそれぞれ別のレンズを見ることによって、擬似的な立体視を実現。映像というよりも、奥行きのある「空間」を見ているのに近い体験ができます。
この没入感は、一眼ゴーグルでは得られません。ただし肝心の没入感の高さは、レンズや製品の性能によってピンキリ。
一眼ゴーグルと同じように360度映像を楽しむための安価な製品もある一方、「仮想空間に入って自由に動ける」タイプの本格的なVRヘッドセットだと、数万〜十数万円はかかります。
晴間はる
VRヘッドセットのエントリーモデル「Oculus Quest 2」も二眼だね!
そんなVR体験ができる二眼ゴーグルにもデメリットはあります。
それが、人によっては酔いやすいこと。3Dのゲームで酔ってしまう人がいるように、VRでも気持ち悪くなったり頭が痛くなったりと、VR酔いの症状が出る場合があります。
そのような事情もあって、二眼ゴーグルには基本的に年齢制限が設けられています。ゲームが遊べるタイプの製品だと13歳以上、簡易的なモデルでも7歳以上が対象。お子さんのいる方は要注意です。
- 立体感と没入感を強く感じられる
- 一眼ではできないVRゲームやツールが使える
- 簡易的なものから本格的なものまで、製品の幅が広い
- 人によっては酔いやすく、年齢制限がある
- 一眼タイプと比べると値段が張る(5万円台〜14万円)
まとめ
最後に「一眼」と「二眼」、それぞれのタイプのVRゴーグルの特徴について、改めて整理してみましょう。
- 1枚のレンズで、平面の「映像」を見るイメージ
- 360度映像を見られるが、没入感は低い
- 2,000円程度で買えて、幼い子供やお年寄りでも楽しめる
- 2枚のレンズで、立体的な「空間」を見るイメージ
- 没入感が高く、ハイスペックモデルだとVR空間を自由に動ける
- 年齢制限があり、人によってはVR酔いの症状が出る
とにかく安く手軽に試すなら一眼タイプがおすすめですが、二眼タイプでないと本格的なVR体験はできません。
ただし二眼タイプは立体的で没入感が高いために酔いやすく、子供やお年寄りには勧めにくいという問題があります。
用途や目的によってもどちらを選ぶかは変わってくるかと思いますので、それぞれの特徴を把握したうえで、ぴったりの製品を探してみましょう。