年始に正式発表された、ソニーの最新VRハード「PlayStation VR2」。
2016年発売のPS VRに続く次世代機として、ゲーマーのみならずVRユーザーからもアツい視線を注がれているVRヘッドセット。2月には公式サイトも公開され、詳細も徐々に明かされつつあります。
最新機器が登場すると気になるのが、現行機との性能差。
特にVRヘッドセットの場合、安くて高性能なOculus Quest 2(Meta Quest 2)が普及しつつある現状もあります。人気のQuest 2に対して、PS VR2はどのような特徴を持っているのでしょうか。
そこで本記事では、Quest 2とPS VR2を徹底比較していきます。
現時点(2022年現在)で明らかになっているPS VR2のスペックと特徴を参照しつつ、Quest 2と性能差を比較してまとめてみました。
もくじ
PS VR2とQuest2比較1.スペックはどれだけ違う?PS VR2の新機能!
まずはPS VR2とQuest 2について、それぞれの基本性能と仕様を確認してみましょう。現時点で公開されている公式の情報を参照すると、以下のようにまとめられます。
PS VR2 | Quest 2 | |
---|---|---|
ディスプレイ方式 | 有機EL | 液晶 |
パネル解像度(片目) | 2000×2040 | 1832×1920 |
パネルリフレッシュレート | 90Hz、120Hz | 72 Hz、80 Hz、90 Hz、120Hz |
レンズ間距離 | 調整可能 | 調整可能 |
視野角 | 約110度 | 約110度 |
搭載センサー | モーションセンサー:6軸検出システム(3軸ジャイロ・3軸加速度)、装着センサー:IR近接センサー | モーションセンサー、装着センサー |
トラッキング方式 | インサイドアウト | インサイドアウト |
その他特徴 | 視線トラッキング、フォービエイテッド・レンダリング | ジェスチャーコントロール |
まだ情報が少ないため何ともいえない部分もありますが、基本の性能はどちらも共通点が多いです。トラッキング方式をはじめ、視野角やリフレッシュレートなどもほぼ同じであることがわかります。
一方で明確に異なる点としては、PS VR2が搭載している視線トラッキング機能や、フォービエイテッド・レンダリングの仕様があります。これらの特徴については下記記事で説明していますので、詳しくはそちらをご覧ください。
フォービエイテッド・レンダリングの仕様
プレイヤーの視野の中心を高解像度、外側を低解像度にする仕様。意識してみるとわかるが、人間の見ている世界そのもの!
視線トラッキング機能・・・
プレイヤーの目の動きをトラッキングする機能。先ほどのフォービエイテッド・レンダリングとあわせることで、本物の視野さながらの動きが体験できる!
- 視野角やトラッキング方式など、基本の性能と仕様は共通点も多い
- 視線トラッキングなど、Quest 2にはない機能も搭載
- PS VR2は実際での人間の視野さながらの体験が可能に
PS VR2とQuest2比較2.画質はどれだけ違う?
PS VR2 | Quest 2 | |
---|---|---|
ディスプレイ方式 | 有機EL | 液晶 |
パネル解像度(片目) | 2000×2040 | 1832×1920 |
パネルリフレッシュレート | 90Hz、120Hz | 72 Hz、80 Hz、90 Hz、120Hz |
次に外せないポイントとして、ディスプレイの違いが挙げられます。
パネルの解像度を比較すると、1832×1920のQuest 2に対して、PS VR2は2000×2040。数字上は大きな差はありませんが、若干PS VR2のほうが高解像度になっています。
また、ディスプレイ方式の違いも見逃せません。実際に見て比較したわけではないので想像にはなりますが、数字上の解像度よりも大きな違いになってくると考えられます。
PS VR2が採用している有機ELには、「黒色をくっきりと再現できる」「早い動きを滑らかに映せる」といった特徴があります。
特に、「早い動きを滑らかに映せる」特徴は、映像の遅延を最小限に抑える効果があるため、動きの早いゲームなどに向いているといえるでしょう。
Quest 2の液晶は昔からおなじみのディスプレイ方式であり、有機ELと比べると「明るく鮮やかな色合いに見える」傾向があります。しかしその明るさゆえ目に負担がかかりやすく、残像が残りやすいという問題も無視できません。
晴間はる
有機ELと液晶の違いは、テレビを買い換えるときに聞いたことがある人も多いんじゃないかな?
とはいえ、液晶であるQuest 2が劣っているというわけではありません。
さかのぼれば、もともと無印のQuestは有機ELを採用していました。高解像度かつ鮮やかなVR体験を重視するにあたって、Quest 2ではディスプレイを液晶に変更したと考えられます。
ですので、これはあくまでもシンプルな「見え方」の違いであり、おそらくは好みの問題になってくるのではないでしょうか。実際にPS VR2の画面を見て比較してみないことにはわかりませんので、どこかで試せる機会があるといいですね。
- ディスプレイの解像度はPS VR2のほうが高い
- 有機ELを採用しているPS VR2は、映像が滑らかだと考えられる
- とはいえQuest 2の歴史が有機EL→液晶なので、PS VR2も実際に見てみないとわからない
PS VR2とQuest2比較3.価格はどっちが安い?
2022年3月時点で、PS VR2の価格は公開されていません。
ソニーストアをチェックしてみると、PS VRの価格は34,980円。Amazonだともう少し安く、27,000円ほどで販売されています。ただ、これは発売から数年が経った現時点の価格です。
比較対象として考えるのでしたら、注目するべきは発売当時の価格。2016年当時、PS VRの価格は44,980円でした。ですので、PS VR2も発売時は50,000円以上の価格になると予想されます。
一方のQuest 2は57,700円。PS VRと比べると高い印象もありますが、Quest 2は「ヘッドセット単体ですぐに使える」のが大きな特徴です。
遊ぶためにはPS4またはPS5を別途購入する必要があり、総額100,000円はかかるPS VRと比べると、破格の値段であることがわかります。
晴間はる
50,000円程度でVRの世界に飛び込めるQuest 2はやっぱりすごい……!
安価なQuest 2に対抗するために、PS VR2を50,000円程度で販売する可能性もゼロではありません。ですが、発表されているスペックを考慮するとそこまでは安くならなさそうですし、どれだけ安価だとしても50,000円以上はすると考えられるのではないでしょうか。
- Quest 2は57,700円から購入できる
- PS VR2の価格は未定
- PS VRの初代モデルは44,980円
- PS VR2の価格は50,000円以上になる?
PS VR2とQuest2比較4.Quest2はケーブルレス!PS VR2の使い勝手は?
誰でも自宅でVRゲームを遊べる体験を、2016年の時点で実現していたPS VR。
これはVR業界的にも画期的な出来事でしたが、いくつかのネックもありました。先ほどの項目でもふれた、PS4が必要である点もそのひとつです。
そしてもうひとつ。ユーザーのあいだでよく言われていたのが「ケーブル類が多くて邪魔になりやすい」という問題です。
発売当初、PS VRで遊ぶためには何本ものケーブルをPS4本体に接続する必要がありました。セットアップも大変ですし、プレイ中もケーブルの存在がどうしても気にかかってしまうため、少なくない不満の声があったわけです。
晴間はる
でもその後に登場したPS VRの新型モデルでは、この問題も改善されているよ!
その点、PS VR2の紹介ページには「ケーブル1本で簡単に接続できる」との説明があるため、コード類の煩わしさは最小限に抑えられるでしょう。ワイヤレス中心の時代にも合っている作りです。
一方で、Quest 2にはそもそもケーブルがありません。PS4のような外部の機器と接続する必要がなく、ヘッドセット単体で起動しそのまま遊ぶことができるからです。
また、Quest 2はセットアップも簡単。ヘッドセットをかぶって表示される案内に従うだけで、すぐにVRゲームがプレイ可能になります。
とにかく手軽で簡単なのが、Quest 2の大きな特徴であり魅力なのです。
ただしセットアップの際にはスマホアプリを使うため、手元でのスマホ操作は必要になります。Quest 2における目立った煩わしさといえば、そのくらいになるでしょうか。
- PS VR2はケーブル1本で簡単に接続可能
- PS VRの初代モデルと比べて大きく改善されている
- Quest 2はそもそもケーブルがない
- Quest 2は外部の機器と接続する必要もないため、セットアップも簡単
PS VR2とQuest2比較5.遊べるタイトルの違いは?
2つのヘッドセットを比較するにあたって、プレイできるコンテンツの違いも無視できません。
当然といえば当然ですが、「ハードによって遊べるゲームが違う」という話です。Nintendo SwitchではPlayStation 5専用ソフトが遊べず、その逆もまたそうであるように、PS VR2とQuest 2のそれぞれでしかプレイできないゲームが出てくることでしょう。
最近は複数のハードで発売されているタイトルも数多くありますが、PS VRでしか遊べないゲームも少なからず存在しています。また、PS VR2もPlayStation Networkを介してオンライン接続すると考えられるため、その場合、SteamVRで配信されているソフトはおそらくプレイできません。
晴間はる
対応する可能性もゼロじゃない……けど、なかなか難しそう……。
ではQuest 2はどうなのかといえば、こちらも基本的には公式ストアで販売されているゲームを購入する形になります。Quest 2はゲーム専用機ではありませんので、たとえばフィットネスアプリや映画もストア上にありますし、無料アプリも少なくありません。
同時に、パソコンと接続すればSteamVRのタイトルを遊べるのも、Quest 2の大きな魅力です。PSN縛りがあるPS VR2と比べると、拡張性の高さやコンテンツの豊富さにおいてはQuest 2に軍配が上がるのではないでしょうか。
ただ、PS VR2にはPlayStationブランドの強みもあります。過去に人気を集めたPSゲームの最新作がVRで出るとすれば、高確率でPS VR2で発売されることになるはず。
そのような今後の可能性も考慮するのであれば、PS VR2にも期待したいところです。
- PS VR2とQuest 2では遊べるタイトルが異なる
- Quest 2は専用ストアのほか、SteamVRの配信タイトルも遊べる
- PS VR2は専用ソフトが基本で、おそらくSteamVRには対応しない
- ただしPSブランドの強みがあるため、魅力的なタイトルが登場する可能性は高い
PS VR2とQuest 2比較まとめ|選ぶならどっち?
以上、PS VR2とQuest 2を比較してきました。
- PS VR2とQuest 2は、性能面では共通点も多い
- ディスプレイ方式で違いがあり、若干PS VR2のほうが高画質
- PS VR2の価格は未定だが、Quest 2よりは高くなりそう
- 使い勝手はどちらも悪くないものの、Quest 2はケーブルレスでお手軽
- 遊べるコンテンツ量はQuest 2が豊富、PS VR2はPSブランドならではのタイトルに期待
改めて比較してみると、やはりQuest 2の安さと手軽さが際立ちますね。シンプルに「VRゲームで遊びたい」「VRでいろいろやってみたい」ということでしたら、VRヘッドセットのエントリーモデルであるQuest 2が安定しておすすめできます。
一方で、PS VR2にはまだ未知数な部分も多いですし、現時点で明らかになっている情報だけを見ても決して魅力に乏しいわけではありません。性能面ではQuest 2に勝っている部分も多く、今後の新情報にも期待したいところです。
そのうえで、ここまでスペックや価格を比較してきましたが、一番はやはり「遊びたいゲームがあるかどうか」が基準になってくるのではないでしょうか。
好きなシリーズの最新作が出ればハードごと買う人は少なくないでしょうし、それはVRになっても変わらないはず。PS VR2でリリースが予定されているタイトルはまだほとんど明かされていないこともあり、楽しみにしているゲーマーも多いことでしょう。
2月下旬にはデザインも発表され、徐々にその全貌が明かされつつあるPS VR2。当サイトでも最新情報を掲載していく予定ですので、気になる方はチェックしてみてください。
Quest 2の購入を検討されている方は、下記記事もあわせてどうぞ!