2022年1月にアメリカで開催された「CES 2022」。
数々の最新技術やガジェットが発表されたなかで、注目を集めていたのがソニーのプレスカンファレンス。次世代ハードウェアとして、「PlayStation VR2」が正式に発表されたのです。
ついに発表された、PS VRの後継機。本記事ではそんなPS VR2について、現時点でわかっている最新情報をまとめました。
晴間はる
前モデルであるPS VRとの違いもまとめたよ!
もくじ
PlayStation VRとは?
PS VR2について見ていく前に、まずは現行機である「PlayStation VR」についておさらいしておきましょう。
PlayStation VRは、ソニーが2016年に発売したVRヘッドセット。
利用するにはPlayStation 4もしくはPlayStation 5が必要ですが、家庭でも気軽にVRコンテンツを体験できるデバイスとして話題になりました。
発売当初はまだ遊べる作品は少なかったものの、『初音ミク -Project DIVA- X HD』『バイオハザード7 レジデント イービル』などの人気タイトルがVR対応ソフトとしてリリース。没入感の強いVR空間で人気ゲームをプレイできます。
PlayStation VR2は何が進化した?
それでは、後継機として発表されたPS VR2では、いったいどのような点が進化しているのでしょうか。
まずは言うまでもなく、ヘッドセットとしてのスペックです。現時点でわかっているPS VR2の情報を参照しつつ、PS VRとのスペックを表にまとめてみました。
PS VR2 | PS VR | |
---|---|---|
ディスプレイ方式 | 有機EL | 有機EL |
パネル解像度(片目) | 2000×2040 | 960×1080 |
パネルリフレッシュレート | 90Hz、120Hz | 90Hz、120Hz |
レンズ間距離 | 調整可能 | 調整可能 |
視野角 | 約110度 | 約100度 |
搭載センサー | モーションセンサー:6軸検出システム(3軸ジャイロ・3軸加速度) 装着センサー:IR近接センサー | 加速度、ジャイロ |
トラッキング方式 | インサイドアウト | アウトサイドイン |
注目のポイントとしては、解像度が大幅に向上したこと。そして、トラッキングがインサイドアウト方式になったことが挙げられます。
インサイドアウト方式とは、ヘッドセットに装着されたカメラによってプレイヤーの位置や動きを感知する方法のこと。これにより、外部にセンサーを設置する必要がなくなり、セッティングの煩わしさの解消が期待されます。
また、今回の発表で明らかになった情報はまだまだ少ないものの、以下のような仕様・機能も公開されています。
フォービエイテッド・レンダリング
フォービエイテッド・レンダリングとは、プレイヤーの視野の中心ほど高解像度に、外側にいくほど低解像度で描画する手法のこと。
そもそも人間の視野は狭く、しかも見えている範囲がすべてくっきりと見えるわけではありません。たとえば、自分の横で何かが動けば「何かが動いた」とはわかりますが、その対象が何であるかを判別するには、首や眼球を動かして焦点を合わせる必要がありますよね。
PS VR2では、この人間の視野に似た手法で描画しているのだとか。
視野の外側を低解像度にすることによってハードウェアへの負荷を軽減しつつ、それでいて視野の中心付近は高解像度の映像を描画しています。
晴間はる
人間の視界って、焦点が合っている対象以外はぼやけているよね。つまり簡単にいうと、人間の見ている世界と同じような感じで描かれるということだよ!
視線トラッキング
一方で気になってくるのが、「視線」の問題です。
先ほど紹介したフォービエイテッド・レンダリングの仕様ですと、視線を動かして視野の外側を見ようとしたときに、その部分が低解像度になってしまうのではないかという懸念があります。
晴間はる
この問題を解決するのが、視線トラッキングなんだね!
PS VR2には視線トラッキング機能があり、プレイヤーの目の動きを検知してくれます。
ですので、フォービエイテッド・レンダリングによって低解像度で描画されている部分に視線を向けるとその目の動きを判別。視線の先を自動で高解像度に描画してくれる、というわけです。
また、この機能を使えばコントローラーだけでなく、「特定の方向を見る」という方法でもキャラクターを操作することが可能に。直感的かつ刺激的なゲーム体験を実現しています。
フィンガータッチ機能
コントローラーの情報は以前から公開されていましたが、PS VR2は両手で持つコントローラーの形が独特です。
両手で握った際に、自然と手にフィットするオーブ型。操作時のフィードバックもこだわっており、細かな感触の違いも感じられるようになっているのだとか。
また、従来のコントローラーのように「押す」のではなく、「触れる」だけで指を認識するフィンガータッチ機能も搭載。親指、人差し指、中指の動きがVR空間内でも反映され、自然なジェスチャーによる操作ができます。
ごちゃごちゃ配線とおさらば!ケーブル1本に
前モデルのPS VRの場合、PS4とつなぐための配線がごちゃごちゃしていました。
晴間はる
ワイヤレスが主流の中、時代に合っていない設計…。
その点、PS VR2はケーブル1本でPS5とつないで遊べると発表がありました。ごちゃごちゃした配線に悩む必要もありません。
PlayStation VR2の発売日は?値段はどうなる?
以上が、現時点で明らかになっているPS VR2の注目ポイントです。簡単に整理すると、以下のようにまとめられるでしょうか。
- PC向けVRにも負けない、高解像度パネル
- セッティングやコードの煩わしさを抑える、インサイドアウト方式
- 効率的に美麗な映像を描画する、フォービエイテッド・レンダリング
- ゲームへの没入感と操作性につながる、視線トラッキング
- 「手」の自然な動きを実現する、フィンガータッチ機能
詳しい追加情報は今後の発表を待つことになりますが、現段階でもゲーマーやVRユーザーから注目を集めているPS VR2。大幅に向上したスペックはもちろんですが、没入度の高いVR体験を実現してくれそうな機能面にも期待です。
価格については残念ながら今のところ「未定」となっていますが、発売時期の公式発表もあったので、年末には発表されるのではないでしょうか。
2023年以降は新しいVRヘッドセットがまた続々と登場すると考えられるため、その前に発売していただきたいですね。
晴間はる
ゲーム以外の分野にもVRヘッドセットは多いから、ソニーとしては他社の新製品の発売前に注目を集めておきたいよね……!
価格については、初代PS VRの発売当時の値段が44,980円(税別)だったため、それと同じくらいか、若干高くなるのではないかと予想できます。
とはいえ、接続先のPlayStation 5の標準モデルが49,980円(税抜)ですので、それよりも高くなることはないのではないでしょうか。
また、どのようなタイトルが発売されるのかは未知数ですが、近年は人気ゲームのVR化も珍しくありません。
昨年は『バイオハザード4』がQuest 2向けにリリースされて話題になりましたが、同様の動きがあるかもしれません。PS VR2向けに人気タイトルの完全新作が出る……なんて可能性もあります。
今後どのような情報が公開されていくのか。2022年は、PS VR2周辺の動向も要チェックです。